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年齢と「調節力」、老視のはなし

[2019.02.23]

こんばんは、身代わり蛙です。いよいよ花粉が本格的に飛び始め、眼や鼻がつらい季節になってきました。きょうは、お年を召された患者さんの誰でも気にされている、老眼と調節力の話をいたしますね(⌒∇⌒)

調節力は、年齢を重ねるにつれてだんだん小さくなり、40歳代の半ば以降は、近視・遠視・乱視の有無にかかわらず、「老視(老眼)」になります。では、「調節」とは一体何を意味するのかという疑問が湧いてきますね。

 そもそも「調節」とは、近くの物を見るときに眼球(主に水晶体)の屈折力を増すことをさします。この時、水晶体の付け根にある毛様体筋(ミューラー筋)が収縮して毛様小体が緩み、そして水晶体は弾性力があるので、眼軸方向に厚みを増して、屈折力が増大します。調節が弛緩して、最も遠くを見ているときに網膜に像を結ぶ点を「遠点」、最も近くをみて網膜に像を結ぶ点を「近点」といい、遠点から近点までの距離を調節域といい、この幅を屈折力で表すとき「調節力」といいます。そして水晶体が年齢とともに変性し、硬くなると弾性力がなくなるので、次第に調節力が下がり、老視になるのです。年齢と調節力については、昔から眼科学の大家が以下の表のようなデータを提示しています。石原先生は、日本の眼科学の大家で、あの石原式色覚表を考案された先生です。20際台では10ジオプター程度ある調節力も、30歳台で7ジオプター、40歳台で4.5ジオプター、50歳台1.5ジオプター程度に落ちてきてしまいます。水晶体がだんだん石のように固くなってしまいます。「年(加齢)には勝てない」という結果となります。早いと40歳くらいから読書用メガネが必要となるわけです。

 

年齢(才) 石原(1931) Donders(1864) Duane(1908)
10
12
14
 
14
15
10
12
13.2
20
8.5
10
11.5
25
7.5
8.5
10.0
30
7
7
8.5
35
6
5.5
7
40
4.5
4.5
6
45
2.5
3.5
4
50
1.5
2.5
1.75
55
0.75
1.75
1.3
60
0.5
1
1.25
65
0.25
0.5
1
70
0
0.25
0.75
75
0
0
0.75
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