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レーベル遺伝性視神経症について

[2019.02.09]

こんばんは。身代り蛙です。きょうは関東南部でも大雪が降るかもという天気予報でしたが、幸いにも雪はほとんどなく、安心しております。しかしながら、災害予防の観点からは、すこしきつめの予報のほうがよいとも思います。さて、今日2回めの投稿です。あまり、街角の開業眼科ではみかけない病気ですが、参考までに記してみたいと思います。その名も「レーベル遺伝性視神経症」です。

レーベル遺伝性視神経症はおもに10歳代から30歳代にかけて、両眼性に急性、または亜急性の視力低下で発症し、その後数ヶ月の間に徐々に視神経乳頭の耳側が青白くなり、通常1年以内に高度の視神経萎縮に至り、その結果視力低下、中心暗点という視野異常を来す予後不良な遺伝性の視神経疾患であります。

 レーベル病の80%の患者さんが男性でありますが、その発症の性差は不明です。レーベル病はミトコンドリア病であり、ミトコンドリアDNAの点突然変異により発症します。そのためこの病気は母系遺伝になります。レーベル病の遺伝子診断は、このミトコンドリアDNAの11778番塩基の点突然変異が日本人患者の場合90%近くを占めます。また、他には14484番塩基の点突然変異をきたすタイプがあります。私事で恐縮ですが、わたしが以前勤務していた市川市の国立国府台病院にはこの疾患の確定診断や疑いの患者さんが十数名いらして、この疾患の病態に対して大いに興味をひかれました。最近は民間の検査会社が有料でミトコンドリア遺伝子の検査を引き受けていますので、診断は比較的容易になりました。
PS/この病気の確定診断はやはりかなり難しいと思います。心因性視覚(視力)障害や、錐体機能不全(錐体ジストロフィ)という病気などとの鑑別も必要となりますので、然るべき専門医療機関へご紹介することになります。
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