ヘルペス角膜炎・目の帯状疱疹について
[2019.02.23]
こんばんは!身代わり蛙です。今日2回目の投稿です。ヘルペス(単純疱疹・帯状疱疹)というと、皮膚領域の病気と考えがちですが、、実は、目にもヘルペスをきたすことがあるのです。以下帯状疱疹の方にしぼって説明します。
「帯状疱疹」は、ウイルスによって起こりますが、このウイルスは水痘(みずぼうそう)を起こすウイルスと同じウイルスで「水痘・帯状疱疹ウイルス」(varicella-zoster virus)と呼ばれます。
こどもの時に感染した「水痘・帯状疱疹ウイルス」は、その後体内の神経節に潜伏感染を続け、何らかの原因により免疫力が低下したときに、ある一定の神経の走行に沿って活動を始め、その皮膚に皮疹が出現します。この皮疹は、赤みを伴う小水疱の集まりで、全体として帯状に並びます。のちに水疱内容は膿状となり、出血をみたり壊疽に陥ることもあります。患部にはピリピリとした痛みが走り、このため睡眠不足になることもしばしばです。
特に顔面の三叉神経第1枝領域(眼神経)に出現した場合、ヘルペス性角結膜炎や、虹彩炎、網脈絡膜炎をきたし、視力低下等の症状をきたすことがありますので、眼科での精密検査が必要になります。
治療としては、抗ウイルス薬のアシクロビル眼軟膏点入(通常1日5回)や内服がありますが、重症の場合は、総合病院等で抗ウイルス剤の点滴静注が必要になることもあります。
また、混合感染予防のための抗菌剤点眼や、炎症抑制のための低力価のステロイド点眼(角膜上皮型でなく、実質型の場合)を併用することもあります。このへんの判断は眼科医の経験によっても微妙な判断を伴いますので、細隙灯顕微鏡でしっかりと観察、診断のうえで使用します。また医師の指示に基づいてしっかり通院されて眼の病変の変化をみていく必要があると考えます。