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糖尿病はひそかに目にせまってくる病気です。

[2018.12.21]

糖尿病網膜症は、本人も気づかないうちにじわじわと進行する、たちの悪い病気。そして、日本での失明の原因の1位が糖尿病網膜症です。失明と呼ばれる状態は、目の前で手を振ればやっとわかる程度の視力がある「手動弁」、それ以下の「光覚弁」、「光覚なし」などを指します。糖尿病により網膜症が強く進んだ状態では、視力が手動弁や光覚弁にまで下がることがあります。

 糖尿病網膜症は、始めは「単純型」、続いて「前増殖型」、さらに「増殖型」へと進みます。

 単純型網膜症は、網膜に小さな出血や毛細血管瘤が出てきます。この時期ではまったく自覚症状がありません。そして出血の数がだんだん増えたり、白斑と呼ばれるしみがたくさん出てくると、前増殖型網膜症となりますが、この時期でも自覚症状がほとんどありません。前増殖型では、網膜の小さな血管の詰まりがあるために、網膜が酸素不足になり、それを補うために新生血管の増殖が起こりやすくなっています。網膜をレーザーで焼くことで、この増殖を抑えます(網膜光凝固術)。硝子体出血や網膜剥離をおこす増殖型になりますと自覚症状も強く出て、治療も難しくなりま...す。

 糖尿病の眼底検査は、網膜症のない方は6ヶ月から1年に1回、単純型網膜症の方は3ヶ月から6ヶ月に1回、前増殖型網膜症の方は1~2ヶ月に1回、増殖型網膜症の方は2週間~1ヶ月に1回が目安とされています。

 ただ、急に網膜症の所見が悪化したり、糖尿病性白内障、黄斑浮腫、新生血管緑内障といった他の糖尿病性眼合併症が起きることもありますので、もっと短い間隔での眼科受診が望まれます。

 糖尿病は、ひそかに目に迫ってくる病気。「ついつい忙しくて、眼科にいきそびれてしまって・・・・」というあなた、自覚症状が出る前に眼科専門医をお訪ねください。

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